-
- 京都電子工業株式会社
BtoB EC導入プロジェクトの
パートナーにJMASを選定
セカイカートの導入で、受注業務プロセスの
非効率と属人化の解消を目指す

目的
BtoB ECの活用で受注業務プロセスをデジタル化、自動化し、業務の効率化と応対品質の向上を図りたい
- 概要
- 京都電子工業は、代理店取引先との間で行われる受注業務プロセスを改善したいと考えていた
- メールやFAXを介して取引先からの注文を受け付けるやり方は、取引件数が増えれば増えるほど対応が煩雑になる問題があり、属人化も生んでいた
- JMAS の主導でBtoB ECを導入し、受注業務プロセスの効率化を図る
- 課題
- 取引件数が増えれば増えるほど受注業務が煩雑化し、人的作業ミスを生むリスクになっていた
- 受注業務におけるベテランと若手の応対品質に差があった
- 選定理由
- ECコンサルタントの提案力が高く、技術力やコスト、サポート体制、実績にも優れている
- セカイカートがBtoB受注業務に必要な機能を網羅している
煩雑な受注フローが人的エラーを生むリスクに

京都電子工業は1961年に創業された分析計の専門メーカーで、「電位差自動滴定装置」などの分析機器や「排ガス分析装置」などの環境機器、「熱物性や温熱環境」などの熱計測機器の開発・生産・販売を手掛ける。先端技術が融合された独自技術を駆使して時代のニーズにあった製品を提供し続けており、官公庁や大学・企業の研究室、品質管理の現場、スポーツ・教育現場などのさまざまな産業分野から高い支持を得ている。
京都電子工業では、代理店経由の販売事業において受注業務プロセスの改善に乗り出すことを決めた。既存の受注フローは次のとおりである。メールやFAXを通して注文が入ってくると、その都度、販売担当者が注文内容に相違がないかどうかを取引先とやり取りして確認。通話中にとったメモ、あるいは追記した注文書を見ながら受注管理システムに手入力する流れである。ただ、このように注文を受け付けるスタイルは対応が煩雑だ。取引件数が増えれば増えるほど現場の業務負担が大きくなり、結果として注文内容の確認漏れや、誤読、聞き違い、入力ミスなどの人的作業ミスが生じるリスクも大きくなってしまう問題があった。
東京支店 営業企画室 副課長 田中 克治氏は、「われわれは多種多様な製品・部品を扱っています。たとえば、一口にチューブと言っても形状や構造、用途、特性の違いによってその種類はさまざまで、単にチューブとだけ記載された注文書を受け取った場合、まずは品種を特定するやり取りが発生します。取引先からの回答待ちの件数が増えれば増えるほど、うっかり忘れなどによって受注処理の遅延が発生するリスクは大きくなるわけです」と語る。
また、メールやFAX、電話を介した受注業務は属人化しがちである。取引先特有の注文条件や製品・部品の呼称の把握、FAX注文時の筆跡の判別といった対応が多く、商品知識や経験の豊富なベテランに業務配分が偏るためだ。
大阪支店 環境機器課 係長 成瀬 豪氏は、「仁を心に、ひとづくり、ものづくりという社是にあるように、よいモノづくりはよい人づくりから、がわれわれのビジネスの信念です。そんな中、受注業務においてベテランと若手の応対品質に大きな差が出てしまっている状況は好ましくありません。受注業務プロセスを標準化することで、受注処理のスピードと正確性が販売担当者の知識レベルや経験年数に左右されない受注体制を構築することが求められたのです」と話す。
相互理解と信頼関係の深さがJMAS選定の決め手

京都電子工業は2024年より「BtoB EC」というキーワードをもとにWebでの情報収集を開始。BtoB ECを導入した受注体制の構築について大まかなイメージを得てから、ソリューションの調査を行った。その中でJMASの存在を初めて知ることになる。2024年2月に開催された「イーコマースフェア 東京 2024」においてJMASの出展ブースに足を踏み入れたのがきっかけだ。
田中氏は、「いくつかのベンダーにわれわれの要求事項を提示した上で各担当者からの提案を受けましたが、ほとんどが各ソフトウェア、サービスの機能説明に終始し、具体的な新業務プロセスや利用イメージについては仮契約後に詳細をつめていきましょうという内容でした。一方、JMASの担当者はこちらの意図をくみ取って会話を広げたり、疑問を解消してくれたりしてくれたことが印象的です。自社の要件にマッチすることを総合的に判断できる材料を提示し、BtoB EC導入後の業務プロセスやビジョンをイメージさせてくれた提案力が見事でした」と語る。
その後、JMASを含む6社に有力候補を絞り込んだ上でコンペを実施。技術力やコスト、サポート体制、実績などを慎重に比較・検討し、パートナーとして選択したのがJMASだ。製造業を熟知する日本能率協会グループの一員であることもJMASを評価したポイントだったという。
成瀬氏は、「JMASのコンサルタント、営業担当者が弊社まで足しげく通い、われわれの初歩的な質問にもこたえながら粘り強く提案を続けてくれたことが好印象でした。われわれの業務に合致する最適なBtoB ECのあり方について熟考し、デモ環境を使いながら要件との適合性を示してくれたことも評価すべき点です。プロジェクトメンバーによるベンダー選定の投票でJMASが圧勝したのはもっともと言えます」と話す。
セカイカートを活用したBtoB ECシステムの開発へ
京都電子工業が採用を決めたのは、JMASが提供するセカイカートと呼ばれるBtoB ECプラットフォームである。BtoB受注業務に特化した各種機能が提供されており、クラウドサービスでありながらカスタマイズ開発にも対応していることが特長だ。
成瀬氏は、「われわれのビジネスでは取引先ごとに商品販売の可否や販売価格、ボリュームディスカウント設定を柔軟に変更・調整できる必要があります。セカイカートはそれも含めてBtoB ECに必要な機能を網羅し、チャットによる取引先とのコミュニケーション、販売実績データの集計・分析など、われわれのやりたいことを標準機能で実現できるバランスを備えています」と語る。
開発フェーズが本格化するのはこれからだ。京都電子工業がJMASに期待するのは開発過程で生じた要件変更に柔軟に対応できるサポート体制とランニングコストを最小限にとどめるアーキテクチャの実装である。
田中氏は、「われわれとしては日常業務と並行してBtoB ECの開発を進めていくことになります。JMASには互いの作業範囲を明確にした上でのタスク管理を主導してもらい、目標達成に向けてチームをうまくけん引してもらいたいと考えています」と話した。
会社プロフィール

- 社名
- 京都電子工業株式会社
- 本社
- 京都市南区吉祥院新田二の段町68番地
- URL
- https://www.kem.kyoto/
京都電子工業は1961年に創業された分析計の専門メーカーで、「電位差自動滴定装置」などの分析機器や「排ガス分析装置」などの環境機器、「熱物性や温熱環境」などの熱計測機器の開発・生産・販売を手掛ける。先端技術が融合された独自技術を駆使して時代のニーズにあった製品を提供し続けており、官公庁や大学・企業の研究室、品質管理の現場、スポーツ・教育現場などのさまざまな産業分野から高い支持を得ている。